【Automotive World 2025 東京展】に出展しました

2025年1月にオートモーティブワールド @東京ビッグサイト が開催されました。

次世代自動車製造を支える大気圧プラズマ技術を実演展示

2025年1月、東京ビッグサイトで開催された「オートモーティブワールド 2025 東京展」に出展し、大気圧プラズマ技術Openair-Plasma® (オープンエアープラズマ) の各種応用例を紹介しました。

展示ブースでは、EV・車載バッテリーのアルミトレイやシリンダーブロックのシール部に対するプラズマ処理を、協働ロボットによる自動処理ラインの形式で再現しました。またOpenair-Plasma®によるデモストレーションでは、表面改質の効果や接着性の向上についても実演を行い、来場者の皆様に直接その性能をご体感いただきました。

さらに、新技術として窒素・水素混合ガスを用いた酸化還元処理のデモンストレーションも実施し、フラックスを使用せずにはんだ付けを行う様子をご覧いただきました。

実演デモや6軸ロボットとの展示で安全で、改質力の高いプラズマ技術紹介

展示ブースの中心では、6軸協働ロボットと連動した大気圧プラズマ装置Openair-Plasma®による処理プロセスを、実際の製造工程を模した形で再現しました。対象は、EV・車載バッテリーに使用されるアルミトレイや、エンジン周辺部品であるシリンダーブロックのシール面など、自動車の電動化・高機能化に伴い、信頼性の高い接合が求められる部位です。
また、基板の保護コーティングにおける前処理の事例を紹介し、電位に敏感な半導体や電子部品に対しても適用可能な表面改質技術である点もご紹介しました。

Openair-Plasma®の主な特長は、オゾンを発生させないため、カバーのないオープンな状態でも安全に処理を行える点です。この特性により、従来の表面処理技術とは異なり、大気圧下でのインライン連続処理が可能になり、生産ラインの効率化と環境負荷の軽減を両立できます。こうしたメリットから、Openair-Plasma®技術は多くの来場者から高い関心を集めました。

また、実機を用いた素材別の表面処理デモストレーションでは、プラスチック、金属、ガラスなど異なる基材に対してプラズマ処理を行いました。さまざまな素材を処理できる汎用性だけでなく、処理前後の濡れ性や接着性の大幅な変化をご確認いただき、改質力の高さもご体感いただきました。来場者からは「プラズマ処理の効果を直接見せてくれる展示は珍しい」「実機導入時のイメージが湧きやすい」といった声も聞かれました。

実演と可視化した展示を通じて、Openair-Plasma®の特長である安全性、処理速度、改質力、そしてインライン適合性について、より具体的な理解を深めていただく機会となりました。

新技術:大気圧プラズマでの酸化還元処理とフラックスレスはんだ付け

本展示では、従来の酸化膜除去に用いられていたフラックスやギ酸に代わる新たな表面処理技術として、大気圧下での酸化還元処理もご紹介しました。これは、Openair-Plasma®を用いて窒素・水素混合ガスをプラズマ化し、酸化銅などの表面酸化膜を還元するとともに、金属表面を活性化させる技術です。一般的な水素還元処理とは異なり、低濃度の水素を使用しているため取り扱いが容易になり、安全性にも優れているプロセスです。

デモストレーションでは、銅テープやプリント基板(PCB)上の銅ランドにこの還元処理を施し、酸化膜が還元されることで表面の色が変化する様子や、還元後にフラックスを使用せずにはんだ付けが可能なことを実演しました。従来の湿式処理とは異なり、大気圧環境下でのドライプロセスであるため、装置の簡素化やインライン化にも対応でき、現場での作業安全性や工程効率の向上に寄与する新たな選択肢として、高い関心を集めました。

この技術は特に、高信頼性が要求されるパワーデバイス実装や半導体モジュール製造において、フラックス残渣やエアギャップのリスクを排除できる新たな接合前処理技術として注目され、「非常に画期的な技術だ」との声を多数いただきました。

Openair-Plasma®は誕生から30年

本展示を通じて、大気圧プラズマ技術Openair-Plasma®の安全性・処理性能・汎用性に加え、新たに開発された酸化還元処理の可能性についても多くの方にご体感いただくことができました。従来工法の課題を解決し、次世代のものづくりに求められる「信頼性」「生産性」「環境対応」のすべてに貢献できる表面処理技術として、来場者の皆様から高い評価をいただきました。

当社は、今年でOpenair-Plasma®誕生から30年を迎えます。今後も、進化するものづくりのニーズに応えるべく、さらなる技術開発と応用展開に取り組んでまいります。

改めまして、ご来場いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

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