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家電製品の耐久性と品質を高める大気圧プラズマ技術 Openair-Plasma®

洗濯機・コンロ・食器洗浄機などの家電製品は大量に生産されており、製品ライフサイクルも比較的短い傾向にあります。一方で、使用される材料の接合には長期的な安定性が求められるとともに、生産プロセスには高いコスト効率が必要とされます。こうした背景から、材料をシンプルかつ低コストで耐久的に接合する手段として、製造プロセスにおける接着接合への注目が高まっています。また、家電製品は湿気やアルカリ成分の影響を受けやすいため、スクリーン印刷やマーキングの長期安定性も重要な品質要件となります。

 

このページのトピック: 

特長と利点 洗濯機部品の接着 ハンドル・ヒンジストリップの接着

繊細な操作ディスプレイへの高品質パッド印刷 指紋付着を抑制するナノコーティング

疎水性プラズマコーティングによる省エネ型食器洗浄機

Openair-Plasma®(オープンエアープラズマ) による表面前処理は、ロボットによる自動化が可能で、製造ラインへの統合も容易です。システムを導入することで、監視性に優れた安定性・再現性の高い表面前処理を、ボタンひとつで実現できます。

また、プラズマトリートは家電業界の主要グローバルメーカーとともに、Openair-Plasma®を用いた新たな独自用途の開発を継続的に進めています。

コンサルティングと資料

Openair-Plasma®が家電製造プロセスを改善した事例を、資料をダウンロードしてご覧ください。

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Openair-Plasma® による家電製品前処理の特長と利点

  • ポリプロピレン (PP) などの代替材料の活用による材料コストの削減
  • プライマーなどの化学系接着促進剤を使用しないことによる製造コストの低減
  • 手作業工程の削減による生産効率の向上
  • 精密かつ選択的な活性化による製品品質の向上

メンテナンスの手間は最小限ながら、プロセス全体の安全性も確保されています。

Andreas Landeck, MIELE Cie & Co. KG インダストリアルエンジニアリング プロジェクトマネージャー

洗濯機部品 (ドア、ドラム、カバーパネル、カウンターウェイト) の接着に向けたプラズマ前処理

Openair-Plasma®による大気圧プラズマ技術は、洗濯機の製造工程において幅広い前処理用途で活用されています。洗濯機ドアに用いられる全ポリプロピレン (PP) 製部品の接着をはじめ、複合材料パネルへの樹脂ストリップ材の接着、ドラム内部の金属部品同士の接着、さらに高い動的負荷がかかるポリマーコンクリート製カウンターウェイトの接着に至るまで、Openair-Plasma®は前処理技術に新たな基準をもたらしています。

Openair-Plasma®による大気圧プラズマ前処理は、適切な接着剤と組み合わせることで、多様な材料に対して耐久性の高い接着を実現します。その高い汎用性により、さまざまな製造工程で柔軟に活用できます。

この分野での注目の導入事例

オーブンドアのハンドル・ヒンジストリップ接着 ― ガラスとセラミック材料の耐久性の高い接着

セラミックコーティングされたガラスと金属を接着する際には、表面前処理が大きな課題となります。自動車業界では、ダイレクトグレージング工程の経験から、わずかな汚れや残渣でも接着の長期安定性を損ない、致命的な不具合につながることが早くから認識されています。

金属材料とガラスセラミック材料の両方に Openair-Plasma® による大気圧プラズマ前処理を施すことで、工程が簡素化され、処理の安定性も大幅に向上します。また、溶剤を用いた手作業での洗浄も不要になります。

これにより、溶剤回収のための複雑な排気・回収装置を設置する必要がなくなり、製造工程の効率化にもつながります。

効果的な前処理 ― 繊細な操作ディスプレイへの高品質パッド印刷を可能にするOpenair-Plasma®

洗濯機やオーブンなどの家電製品に搭載される操作パネルには、外観の美しさと耐摩耗性が求められます。そのため、高光沢の白色ポリプロピレン (PP) 部材が使用され、パッド印刷が施されます。しかし、これらの無極性樹脂に溶剤を含まないインクを確実に密着させるためには、前処理が不可欠です。

従来の前処理方法 (コロナ処理や火炎処理〔フレーム処理〕など) では、熱影響により高光沢ポリプロピレン (PP) の表面が損なわれてしまい、前処理として適していませんでした。

Openair-Plasma®による大気圧プラズマ前処理では、回転式プラズマノズルを用いることで、熱影響を最小限に抑えつつ表面活性化を実現します。これにより、操作ディスプレイへのパッド印刷に必要な高い密着性と品質を安定して確保できます。

高品位ステンレス外装を保護する、透明な指紋付着防止ナノコーティング

オーブン、食器洗浄機、冷蔵庫などに使用される金属化プラスチックやステンレス外装は、美しい外観を実現できます。しかし、適切な表面仕上げが施されていない場合、指紋や洗浄剤の影響により、短期間で外観品質が損なわれてしまいます。

PlasmaPlus®(プラズマプラス) プロセスでは、透明で目立たない新しいナノコーティングにより、長期的な表面保護を実現します。さらに、抗菌機能を付与することも可能です。これらのナノコーティングはインラインで適用でき、最終加工工程に組み込むことができます。

フラウンホーファー研究所 (IFAM) が開発した指紋付着防止コーティングは、指紋の視認性を低減する先進的なナノコーティングです。基材の表面特性 (光沢や表面粗さなど) を損なわずに適用でき、特に金属や樹脂のマット仕上げ表面に適しています。

同研究所が開発したコーティングプロセスは二段階で構成されており、まず液体を薄膜として塗工し、その後プラズマまたは光 (エキシマー技術、Smart Plasma プロセス) により架橋を形成します。© Fraunhofer IFAM

エネルギー等級A++:疎水性プラズマコーティングによるエネルギー効率に優れた食器洗浄機

家庭用家電製品は、そのエネルギー効率に基づいて等級が付与されます。例えば食器洗浄機では、一般的な汚れの食器を洗浄・乾燥する際の消費エネルギーが、所定の基準を超えないことが求められます。さらに、庫内に残る水滴の量は、エネルギー効率等級の評価に大きく影響します。

PlasmaPlus®による疎水性プラズマポリマーコーティングは、こうしたエネルギー効率向上に大きく貢献します。疎水性コーティングによって表面張力が低下することで、庫内の壁面、食器、カトラリーラックに付着した水滴がすばやく流れ落ち、乾燥プロセスが確実に短縮されます。

次回のPlasmaTalksとイベントのご案内

利用できるイベントはありません。

今後の展示会とイベント

見本市やイベントでプラズマを身近に感じてください!

見本市
2026年01月21日 - 23日

【Automotive World 2026 東京展】出展のお知らせ

2026年1月21日(水)~23日(金)

東京ビッグサイト